数年前まで目が覚めると胸のあたりが重く、泣きたくなるような気分の落ち込みを毎日のように味わっていた。鉛のような重たさを胸に抱えたまま日中に差し掛かると、苦しさに耐えかねて泣いてしまうこともあった。この社会を生きていく上での身の置き所のなさ、ままならなさがおそらくもたらしていたのだろう。
親指がうまく動かせないから、ものをちゃんと掴むことができない。力の入り加減がおかしいからよくものを壊す。手足の動きがバラバラで、立っていても座っていても四散しそうな感じがいつも付き纏っている。
まるで統御のできない、自分でも不審に思う身体なものだから、自分の外界との関係がー多くは他者との関わりになるけれどーひどく折り合いが悪い。誰もひとりでは生きていけない以上、他人との関係性を築くことは生存するために必要なのだろうけ…