先日、インドネシアの武術「シラット 」の講習会に参加した。普段は沖縄の空手と中国武術を稽古していて、さらに違う文化圏のものに手を出したわけは、ひとえに下手の横好きというやつだ。
シラットには、日本でいう流派みたいなのはたくさんあって一括りにはできないのだけど、先生は体系の特徴として「相手に関心を払わない」を挙げた。
シラットのコミュニケーションはそっぽを向く
殴り合いであれ口喧嘩であれ、相手の攻撃の意図を察知すれば、誰しも思わず身構えるだろう。そんなふうに触発されて反応している時点で言葉によらないコミュニケーションが始まり、関係性が築かれているということだ。
コミュニケーションはいつも穏やかな話し合いを通じてわかり合う。そういった落着を見せるわけではない。武術のように打ったり蹴ったりすることは、身振り…