「この人は調子がよさそうだな」と思ったり、「顔は笑っているけれど、何かあったんじゃないか」と案じたり、僕らは他者の身体の浮かべる表情を察知することができる。言葉にならなくてもわかるしわかってしまう。
そんな身体の様相がどうして理解されるのかと問われても、きっと「見たらわかるでしょうよ」としか誰しも言えないはずだろう。「百聞は一見に如かず」と昔の人も言っている通りだ。
「見ればわかる」というときの「あからさま」にわかる様子はどこに表れているかと言ったら、それは身体の表層で、だからこそ一目瞭然という現象が起きるんだと思う。
ここ何回かの連載で身体の層について触れているけれど、まだ馴染みのないコンセプトに思う人もいるだろうから、さらにこのことについて書いてみたい。
それは親密さの拒絶ではなくて
僕は急に人に…